プロフィール
著者(PN):
月下香治
(かすか・よしはる)
Yoshiharu Kasuka

メール
y-kasuka@jewelryeyes.net


2010年12月31日

2011年9月16日



2011年3月15日(火)

地デジカ駆逐戦 4.7秒の攻防

 地上波アナログ放送が停波されるとされる刻限が迫ってきました。最後の砦と思われていたサンテレビでも2月から「アナログ」のロゴの表示を始め、今期は画像処理すべき番組が8番組から12番組にまで増えてしまいました。ハードディスクの容量も逼迫してきましたので、2.0TBのハードディスクの価格を注視しながら、購入のタイミングを計っていました。
 そんな中、さらに深刻な画像への侵食が始まりました。2月中旬から一部の主要局で、番組冒頭の数秒間、画面の隅(といっても、「アナログ」のロゴが表示される黒帯よりも内側のコンテンツ領域)に、地デジへの転換を促す台詞を唱える地デジカの図像を表示しはじめたのです。しかも、ウォーターマークではなくスーパーインポーズです。地デジへの転換を訴えているにもかかわらず、アナログ放送のみならず、デジタル放送の画面にも表示されています(2台目以降のテレビの転換も促進するのが目的のようです)。
 今期は6番組と一番番組が多い毎日放送では、次のように表示されます。画面右端上部からメガホンを持った地デジカが右上隅に飛び出し、まずは「7月アナログ放送終了!」と書いた吹き出し、次に「地デジの準備はお早めに!!」と書いた吹き出しをメガホンから吹き出したのち、画面右端へ飛び去ります。その間、140〜142フレーム、約4.7秒です。大きさは最大で、画面横幅の約1/3、コンテンツ領域の縦幅の約1/5になります。けっこう邪魔です(局、または時期によって文章等の形態は異なります)。
 当サイトでは『「アナログ」のロゴを除去する方法』というコーナーを設置していますが、スーパーインポーズはこの方法では消すことができません。しかし、私は画像編集ソフトを数年間いじくってきた身です。手動での編集を厭わなければ、アニメの特質をフルに活用して、憎き地デジカを画面から追い出すのもまったく不可能というわけではありません。地デジカ駆逐戦の始まりです。
 特殊な編集をするにはハードディスクの容量も特別に要求されるであろうということで、ハードディスクの購入が急がれることになりました。そんな中、近所の電機店でセールがあり、狙っていた機種が1万ゼロ千円台で販売されていました。ネットで一番安いところ+送料・手数料よりも安いということで、2月22日に急いで購入しました。
 今まで使用していた2台の500GBのハードディスクからデータを移動するのに、睡眠時間も含めて3日かかりました(余ったハードディスクは3月12日にGUNDAM BAR MBASE4に持っていきました)。なお、2002〜2006年に発売されたパソコンに640GB以上の大容量の外付けハードディスクを接続すると、他の機器と干渉した場合に起動時にフリーズすることがあるということで、普段は外付けDVDドライブを取り外し、必要時に接続するという若干不便な対処をしています。
 ともかく、地デジカを画面から消し去る編集をする環境は整いました。地デジカが登場しない番組の画像処理を済ませ、まずは簡単そうなケース、画面の構図は動かず、地デジカから遠い場所で人物が若干動くというデータを編集することにしました。
 編集を始めてみると、けっこう苦労しました。地デジカを消すためのマスキングデータを作成するのは比較的簡単でした。しかし、手動で動画ファイルを編集するにはフレームごとに対応するBMP画像ファイルを準備しなければならないのです。たかが4.7秒、されど141フレーム。データを作成しても作成しても、ゴールが見えてくる気がしません。結局、全部のデータを準備するのに1時間ほどかかりました。準備したデータを使って動画ファイルを作成すると、編集したことを意識させないほどきれいに地デジカが消えていたのが救いでしたが。
 とりあえずは1ファイルの編集ができたので、他のファイルも編集してみました。画面にまったく動きがない場合は10分ほどでデータが準備できますが、画面全体が一定方向に一定速度で平行移動する場合は2時間かかります。現在まだ4番組分、9ファイル残っていますが、中には拡大縮小や回転、不規則な動きを見せるものもあり、どれくらいの時間がかかるか想像ができません。
 地デジカを消すことに成功すれば、その方法を『「アナログ」のロゴを除去する方法』に追加することを計画していましたが、現在の方法では負担が大きすぎて、みなさんにお伝えするのがためらわれます。しかし、これは独り、アナログ停波に抵抗を続ける私のみの業ではありません。さらに編集の経験を重ね、方法論を洗練させて、皆さんにご紹介したいと思っています。
 それでは、今回はそういうことで。


BACK